軽貨物自動車運送事業の経営戦略

軽貨物運送業を営んでいる人のなかに、「庶民のための軽貨物さん」「街の軽運送さん」といった風に呼ばれて、近所の個人客から好人物として親しまれている方がいます。こういう軽貨物運送業者は地域密着型であり、その経営スタイルを誇らしげに捉えがちです。人としてみると素晴らしいことで、こういった軽貨物運送業の運送屋さんは地元の人気者といったところです。

庶民のための軽貨物運送業は事業経営としてダメ

”庶民のための”軽貨物運送業者は、例えば若いママなどの個人客から依頼を受けて、ベビーペッドー個を少し離れた友人宅や親戚宅へ、だいたい1個4000円程度の料金で配達する、微笑ましい仕事をしています。人として素晴らしいですね。しかし、残念ながら事業経営としてみると、このスタイルで1日5万円を越えるの売上を達成することはどうやっても不可能でしょう。1日8時間の稼動で12件以上捌くことは物理的にできません。当然、業績はずっと低迷を続け、最終的には開業した後2回目の車検、つまり4年目を迎えられずに廃業する、という現実を沢山みてきました。

軽貨物運送の経営失敗や売上の不足は、自己責任

こういった人の良い方は、「お金を稼ぐ」という現実の課題から逃げていることがあり、その影響が家庭に及んで家庭の問題や、夫婦間が険悪なムードになってしまいがちだったりします。軽貨物運送に限らず自営業を続けたいのならば「庶民のための」という意識は捨てなくてはいけません。自営業の経営失敗や売上の不足は、自己責任で一蹴され誰も助けてくれないものです。現実の「自己責任」と「資本主義」の原則に則って、手堅くて高額な運賃を支払ってくれる法人客の集中した方が賢明です。

利益率の高い仕事に集中するのが経営戦略

もしこれがコンビニのバイトなら、1時間4000円は法外な報酬かもしれません。もしベビーベッドを積んで1時間走って4000円もらえるなら、むしろ軽貨物運送業も効率がいいようにも見えますが、業界の常識から見れば「クズ仕事」として笑われます。他の職業に比べてラクないい仕事が軽貨物運送業の最大の魅力ですからね。
確かにベビーベッドを近場に配達して4000円という仕事もありますが、その1時間が1日全体の動きを拘束する影響の方が大きいのです。自営業として長続きしたいなら、利益率の高い仕事に集中するのが経営戦略です。