大手宅配便業者のウラ仕事が軽貨物に回ってくる

以前も触れましたが、ヤマト運輸さんや佐川急便さんといった大手の宅配業者は、荷物1個を約1000円前後で運ぶなどと、軽貨物自動車運送事業からみると「極めて安い」運賃になっています。どうしてそんな低価格が可能になるのか?宅配便のビジネスモデルを少し説明してみましょう。

低価格を実現するハブ・アンド・スポークの仕組み

みなさんすっかりお馴染みとなった大手宅配業者は、お客様から荷物1個あたりで幾らという運賃設定で荷物を引き受けます。引き受けた荷物は一旦すべてペースとか主管支店と呼ぶ発送地側のターミナルに集めて、そのターミナルで配達先の方面ごとに仕分けるのです。仕分けされた荷物は、届け先が含まれる都道府県に設置されている到着地側のターミナルへ幹線輸送と呼ばれる大型のトラックで送られて、そのターミナルから配達エリアの各営業所へと送られる、いわゆるハブ・アンド・スポークの仕組みがあって、そのシステムを利用することで例えば東京から大阪までで1個1000円以下といった料金に設定することが可能になるのです。これは、日本全国にネットワークを張り巡らせた大手企業だからこそ実現できるものです。逆に1日に何百万個という荷物を取り扱うボリュームによって支えられているのです。

毎日何百万個にも上る荷物は完璧に届いているのか?

こういった大手宅配業者が取扱う毎日何百万個にも上るそれぞれの荷物は、当然ながらそれぞれ個別の届け先があるわけです。では、果たして、これらすべての荷物は個別にお客様から指定された届け先へ完璧に届いているのでしょうか?実際の答えはNOとしておきましょう。この現実を前に軽貨物運送業が大手宅配業者に食い込んでいる事情があるのです。

利用運送事業の登録とは

利用運送事業の登録とは

 

どんな業種でもそうですが、一人で独立・起業した場合の大きな問題は、事故や病気などで自分が動けなくなると代わりがきかない、補完ができない、という点です。体調を崩した、また、軽貨物自動車運送業の場合、車が故障した、というような事があった時に、仕事ができなくなる、という事です。

また、自分の車で運べない大きさの仕事がきた、という場合も考えられます。

そんな時の対応を考えておくことが大切です。

言い換えれば、自分が動けない時、自分が運べない荷物だった時に、誰かほかの人や業者に代わりに行ってもらう、という事です。

同業の仲間がいればよいでしょう。しかし、誰もいない時、どうしましょう。そんな時は、フランチャイズ系の業者を利用すればよいでしょう。

「今日は仕事ができません」「こんな大きな荷物は運べません」「量が多すぎて無理です」、こんな言い訳は、顧客には通じません。そこで仕事を一つ、失ってしまいます。それを避けるために、その時は利益ゼロでも、他業者に譲りましょう。

ただし、自分は運送しないで外注に出す時、「利用運送(第1種)」の登録が必要となります。

これを取らずに外注してしまうと、もしもの時の賠償責任を外注先が負う事になってしまいます。すなわち、顧客が契約もしていない会社に賠償してもらうのです。

当然、運賃(利益)も顧客が外注先に支払う事になります。

利用運送登録は軽貨物事業より要件が高く、費用もそれなりにかかります。

外注先と意思の疎通がうまくいっていれば、利用運送の登録がなくとも、支払いなどはごまかす事ができるでしょう。

この制度のいい所は、顧客にとって、窓口一つで何でも頼めるということがあります。つまり、軽自動車では運べないあの荷物もやってもらおうか、というような場合が出で来るのです。

横のつながりの規模や顧客数が増えれば、ネットワークを構成し、利用運送事業のコントロールセンターとして仕事が発展するかもしれません。

さらには、人を雇って複数車両で行う軽貨物事業への発展も考えられます。

貨物軽自動車運送事業経営届出

前回は、貨物軽自動車運送事業がどういう仕事かについて述べました。

貨物軽自動車運送事業とは、軽トラック、軽のバン、バイクなどを使って、お客様の荷物を運び、運賃を受け取る事で収益を得る事業の事です。

今回は、実際に貨物軽自動車運送事業を始めるにあたって、必要な届出について見ていきましょう。

 

貨物軽自動車運送事業を始めるにあたっては、運輸局支局長への届出が必要です。ですから、届出申請書を提出しなくてはなりません。

貨物軽自動車運送事業経営届出書を提出する時には、以下の項目を確認してください。この要件を運輸局支局で審査され、全てをクリアして、はじめて届出が受理されます。

 

各項目は以下のようになります。

●営業所が営業活動や運転者の管理を行う拠点であること

●事業用自動車の種別が軽普通車、軽霊柩自動車、二輪の自動車の別に区分されていること

●使用する軽自動車の構造が貨物運送に適したものであること

●車庫が営業所に併設されていること

●休憩・睡眠施設があり、営業所・車庫に併設していること

●運送約款が適切なものであること

●運行管理体制を整えていること

●十分な損害賠償能力があること

 

これまでは、事業を始める30日前までに申請届出が必要でしたが、最近、大幅に基準が緩和され、申請後、最短ですと即日に許可が下り、ナンバーを取得できるようになり、すぐに貨物軽自動車運送事業を開業できるようになりました。

 

具体的な細かい届出の手順をみていきましょう。

貨物軽自動車運送事業の届け出に必要な書類は、以下のものです。

貨物軽自動車運送事業経営届出

・運賃料金設定届書

・事業用自動車等連絡票

・車検証および完成検査終了証、または譲渡証明書

・自動車検査証記入申請

・軽自動車税申告書

・旧ナンバープレート

・車検証、自賠責保険証

 

自動車検査証記入申請書、軽自動車税申告書は、軽第1号様式あるいは軽第3号様式といい、窓口で1部数10円程度で購入することができます。

 

以上のような届出、手続きは、行政書士に代行してもらうことができます。

軽貨物運送業とは?

軽貨物運送業は、正式名称は「貨物軽自動車運送事業」。軽トラック、軽自動車のバン・タイプのもの、バイク等を使用し、仕事を依頼するお客様から引き取った、比較的、小さな、軽車両に収まる小型の荷物を預かり、お届け先に配送し、その報酬として料金(運賃)を受け取り、利益を得る事業です。昔は赤帽さんと言いました。

今、普通は大手宅急便会社の下請けとして契約、小さな荷物を運ぶのに従事している所が多いようです。大型トラックの入れない路地の届け先に届ける時など、威力を発揮します。お中元、お歳暮の時期には大活躍します。ガソリン代の高騰や環境問題から、昨今、軽自動車の人気が高まって、若者向けにいろいろな車種が発売されていますが、軽貨物運送は、手軽でエコな宅急便といえるでしょう。

貨物軽自動車運送業を始める為には、まずは各自治体ごとの運輸支局へ事業経営の届け出を行ない、事業用の黒ナンバーを取得する必要があります。届け出の仕方などは、また次項で述べましょう。

貨物軽自動車運送業は、一般貨物運送業と異なり、運行や車両整備の責任者に対する資格要件が無く、運送車両1台から簡単にスタートすることが出来る為、個人で起業して取り組み易い事業形態です。実際、軽荷物運送業を経営する人は、脱サラ、あるいは定年後、起業した人が多いと言えます。

自動車運送業といいますと「大きなトラックを用意する」、「フランチャイズ形式で初期費用が掛かる」、「軽自動車の購入費や駐車場代、保険代や店舗の確保等初期投資が非常に掛かる」というイメージを持っている方もいらっしゃいますが、そんな事はありません。貨物軽自動車運送業であれば、初期投資は少額ですみます。軽貨物運送業は一人で始めるという場合が多いので、人件費がかからず、また仕入れや在庫の問題もないのが特徴で経費があまり掛かかりません。

しかし、軽貨物運送業を営業していくには、毎月の想定した経費に、自分の生活費をプラスした売り上げを上げる必要があります。必要経費を想定した運転資金を事前に準備し、尚且つ企業化し会社を大きくしたい方は事業資金の積み立て計画を入念に立てた上で開業する事が必要になります。「軽貨物運送業務は、それだけ稼ぐ事ができるの?」という不安や疑問がおありだと思いますが、個人事業主である以上、サラリーマン時代と違い、頼りになるのはご自分だけです。自営業者は自分の努力が、即、結果に繋がってしまうというシビアな世界だと認識した上で、スタートしなければなりません。一歩踏み出すには、創意工夫、広告掲載、大手宅急便会社への営業、自社のホームページ制作、チラシ、名刺作り等それなりの努力や資金も必要になってきます